
会社で働くと給料が支払われますが、その給料を受け取る前に、給料から税金と社会保険料が支払われます。それを「天引き」と言います。
給料は本来、全額、労働者に支払わなければなりませんが、税金と社会保険料は労働者本人に渡す前に、会社は給料から、税金と社会保険料を事前に差し引くことができます。
会社は、事前に差し引いた税金と社会保険料を、本人に代わって国や市町村に収めることができると法律で決まっているからです。
給料から差し引かれる税金と社会保険料について
1 税金
(1)所得税・・・1年間の収入(給与など)対して課される国税です。
(2)住民税・・・住んでいる自治体(市区町村と都道府県)に納める地方税です。前年の所得に基づいて計算され、翌年に課税されます。
2 社会保険料
- 健康保険料・・・医療費の一部負担や病気・けがで働けない場合の給付を受けるための保険料です。給与に応じて計算され、会社員は会社と本人で折半して支払います。
- 介護保険料・・・40歳以上が対象で、介護サービスを利用するための費用に充てられる保険料です。
- 厚生年金保険料・・・将来の老齢年金や障害年金、遺族年金などの保険料です。会社と本人が折半で支払います。
- 雇用保険料・・・失業時や育児・介護休業中の給付を受けるための保険料です。
※ボーナス(賞与)についても所得税と社会保険料が引かれます。ただし、住民税は引かれません。
※2の社会保険料として、上記(1)~(4)のほかに、労災保険というのもあります。これは、業務中や通勤中のけが・病気、障害、または死亡した場合に治療費や給付金を支給するための保険ですが、労災保険の保険料は会社側が全額負担するため、労働者の給料から引かれることはありません。
税金や社会保険料の役割
税金の役割
所得税や住民税は、道路や学校、病院などの公共サービスや、国や自治体の運営に使われます。
社会保険料の役割
健康保険や年金、雇用保険などは、病気やケガ、老後、失業といった「もしも」のときの安心を支える仕組みです。
税や保険料を支払うことで、自分自身を守ることができるとともに、社会全体が助け合いながら生活の基盤を守ることができるのです。
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