労働者派遣法では、派遣元会社に対し、派遣労働者の雇用ができるだけ安定するよう「雇用安定措置」を講じることを求めています。
具体的には、
同一の組織単位において継続して「1年以上」派遣される見込みがあり、かつ本人が引き続き就業を希望している場合、派遣元会社は次のいずれかの措置を講じる必要があります。
①派遣先への直接雇用依頼
②新たな派遣先での就業機会の提供
③派遣労働者以外の労働者(無期雇用)としての雇用機会の確保・提供
④新たな就業機会が確保されるまでの有給の教育訓練
派遣先会社の雇用安定措置
では、派遣元会社から派遣先会社へ「当該派遣労働者を直接雇用してほしい」という依頼があった場合、派遣先会社にはどのような責務が生じるのでしょうか。
派遣先会社において、
・組織単位ごとの同一業務について、当該派遣労働者が「1年以上」継続して働いており、
・派遣期間終了後も、同一業務で労働者を雇い入れる予定がある場合、
派遣先会社は、その派遣労働者を雇い入れる努力義務が課されます。
さらに、派遣元会社から直接雇用の依頼のある派遣労働者が引き続き就業を希望しており、同一業務で「3年間」継続就労している場合は、派遣先会社は自社の求人情報を当該派遣労働者に提供しなければなりません。
このほかにも、派遣先会社は、同一の事業所において「1年以上」就業している派遣労働者を受け入れている場合、その事業所で正社員を募集する際には、その募集情報を当該派遣労働者にも周知しなければならないとされています。
このように、派遣元会社だけでなく派遣先会社にも、一定の条件のもとで派遣労働者の雇用安定を図るための義務・努力義務が課されています。派遣先会社としても、派遣労働者の雇用の安定に配慮した対応が求められる点に注意が必要です。
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