
労使トラブルを防ぐための「職場全体のルールづくり」
労使トラブルを未然に防ぐためには、経営者と労働者が共に納得した「職場全体のルールづくり」を行うことが重要です。その上で、経営者と個々の労働者が労働条件などについて取り決めをすることが必要になります。この「ルールづくり」は、労働者が安心して働き、モチベーションを高く保つための基盤となり、結果として企業の発展にも寄与します。
就業規則の意義とその重要性
「職場全体のルールづくり」とは、まさに就業規則の作成のことです。就業規則をしっかりと整備することは、単にトラブルを防ぐだけではありません。たとえば、勤務態度や成績が悪い場合、経営者が一方的に賃金を引き下げたり解雇を決定したりする職場では、労働者は安心して働くことができません。
逆に、賃金や労働時間などについて明確なルールが定められていれば、労働者は安心してそのルールに従いながら働けますし、経営者も安心してその手腕を発揮できます。安心して働ける職場こそ、労働者のモチベーションを高め、生産性の向上や業績アップにつながるのです。
これが、就業規則を作成することの本来の意義であり、その重要性といえます。
モデル就業規則の活用と限界
就業規則を自作する際、多くの方が参考にするのが厚労省の「モデル就業規則」です。このモデル就業規則は、Web上で作成ツールが提供されており、各条文に注意点も記載されています。そのため、それを参考にしながら自社の状況に合った形に修正していけば、比較的簡単に就業規則を作成することができます。しかし、モデル就業規則では十分にカバーされていない項目があるとも指摘されており、また、機械的に企業に適用することについて危険視する意見も多々あります。
ブログでの逐条解説の目的
そこで、今後はこのブログで、モデル就業規則を逐条ごとに解説し、不足している部分を補足しながら詳しく説明していきたいと思います。
↓