
今回は、モデル就業規則の第16条の個人情報保護のモデル条文とその留意点について解説していきます。
まず、モデル就業規則の第16条とその付属解説をご紹介します。
☆モデル就業規則「第16条(個人情報保護)」と「付属解説」
(個人情報保護)
第16条 労働者は、会社及び取引先等に関する情報の管理に十分注意を払うとともに、自らの業務に関係のない情報を不当に取得してはならない。
2 労働者は、職場又は職種を異動あるいは退職するに際して、自らが管理していた会社及び取引先等に関するデータ・情報書類等を速やかに返却しなければならない。
【第16条 個人情報保護】
個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)の全面施行により、使用者に個人情報の適正な管理に関する対策が義務付けられています。
☆「モデル条文及び付属解説」以外に注意する点
・個人情報とは、個人情報の保護に関する法律で「生存する個人に関する情報であって、氏名、生年月日、その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの」と規定されております。個人情報とは何か、従業員の方がわかりやすいように就業規則上に明記しておくべきです。
・その上で、企業は就業規則において従業員に対し、個人情報の適切な収集や利用、保存、破棄の徹底はもちろん、許可なく個人情報を利用することの禁止、また、個人情報が記録された文書や媒体の持ち出しの禁止などについても規定しておくべきでしょう。
・個人情報の漏洩については、在職中のみならず、退職後も漏洩を禁ずる規定を設ける例もあります。
・なお、企業の保有する個人情報以外に、企業情報の漏洩を禁止する必要がありますが、これは秘密保持として別に条項を立てた方がわかりやすいと思います。
・次回は、その秘密保持についてご紹介します。
まとめ
個人情報の適切な取り扱いは、顧客や従業員の信頼を守り、法令遵守を徹底するために非常に重要なものです。不正な利用や漏洩は、法的責任や信用の失墜につながるため、厳格な管理体制が求められます。
企業は、個人情報の収集、利用、保存、破棄に至るまで、明確なルールを策定し従業員に周知徹底することが不可欠です。
これにより、企業は法的リスクを回避し、健全な業務運営を維持することができます。
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