
今回は、放課後等デイサービスのみに関する報酬の算定要件や評価項目の変更についてお伝えします。
※児童発達支援と共通項目は除きます。
新しい制度に合わせて、利用者により適切な支援が提供されるように、細かい評価や支援時間に応じた区分が設けられました。以下で、各ポイントを見ていきます。
1 基本報酬のきめ細かい評価
新たに導入された支援時間による区分は、利用者一人ひとりの支援時間に応じた評価を可能にする仕組みです。具体的には以下の3つの時間区分が設けられました。
☆30分以上1時間30分以下
☆1時間30分超3時間以下
☆3時間超5時間以下(※この区分は学校休業日にのみ算定可能)
また、平日に3時間、学校休業日に5時間を超える支援には、延長支援加算が適用される仕組みとなっており、長時間の支援に対しても適切に評価されます。
個別支援計画で決定された支援時間を基準としつつも、事業所の都合で支援時間が短くなった場合には実際の支援時間で判断されることになりました。
※なお、欠席時対応加算(Ⅱ)(←利用児童の体調不良などにより結果的に短時間(30分以内)のサービス提供となった場合に算定される加算)については廃止されました。
2 送迎時の自立支援を評価
こどもたちの自立を促進するため、通所や帰宅の機会を利用した自立支援が評価されるようになりました。この評価を受けるためには、事業所が計画的に支援を行う必要があります。
通所自立支援加算(新設):60単位/回(算定開始から3か月まで)
この加算は、こどもが自立して通所できるよう、職員が付き添ってサポートする場合に適用されます。
3 学校卒業後を見据えた支援
高校生を対象に、学校卒業後の生活を見据えた支援も評価されます。地域や学校と連携して行う相談援助や体験支援が中心です。
自立サポート加算(新設):100単位/回(月2回を限度)
この加算は、高校2・3年生が対象で、学校卒業後の生活に向けた支援を受ける場合に適用されます。
4 医療的ケア児等への入浴支援
医療的ケア児や重症心身障害児に対して、入浴支援も評価されるようになりました。発達支援と合わせて行うことで、家族の負担軽減も図られます。
入浴支援加算(新設):70単位/回(月8回を限度)
5 強度行動障害児支援加算の見直し
強度行動障害を持つ児童への支援が充実しました。専門的な支援スキルを持つ職員の配置や支援計画の策定を条件に、加算単位が引き上げられました。
強度行動障害児支援加算(Ⅰ)(児基準20点以上):200単位/日
・・・強度行動障害支援者養成研修(実践研修)を修了した職員を配置し、強
度行動障害を有する児(児基準20点以上)に対して、支援計画を作成し
当該計画に基づき支援を行った場合
強度行動障害児支援加算(Ⅱ)(児基準30点以上):250単位/日
・・・強度行動障害支援者養成研修(中核的人材養成研修)を修了した職員
を配置し、強度行動障害を有する児(児基準30点以上)に対して、支援
計画を作成し当該計画に基づき支援を行った場合
(初期(加算開始から90日以内)はさらに**+500単位/日**の追加評価が適用されます。)
6 行動障害の予防的支援と重度障害児への支援の充実(個別サポート加算(Ⅰ)の見直し)
個別サポート加算(Ⅰ)**は、行動障害の予防的支援や重度障害児への支援を評価するものです。見直しにより、強度行動障害の知識を持った職員が支援を行った場合や、著しく重度の障害児が利用する場合の評価が強化されました。
【現行】
100単位/日
対象:著しく重度の障害児(例:食事・排せつ・入浴・移動のうち3つ以上が全介助)や、ケアニーズの高い障害児(就学時サポート調査表13点以上)
【見直し後】
90単位/日
対象:ケアニーズの高い障害児に対して支援を行った場合
120単位/日
対象:ケアニーズの高い障害児に対して、強度行動障害者養成研修(基礎研修)修了者を配置して支援を行った場合、または著しく重度の障害児に対して支援を行った場合
7 不登校児童への支援の充実
次に、不登校児童に対する支援の充実です。長期間学校に通えない状態にあるこどもたちに対して、通常の発達支援に加えて、学校との連携を図りながら行われる支援が新たに評価されるようになりました。
【新設】
個別サポート加算(Ⅲ):70単位/日
この加算は、不登校の状態にある障害児が対象です。学校との連携に加え、家族への相談援助も含めた支援を行うことで、こどもたちの生活環境を整え、学校復帰や社会参加の機会を広げる支援を評価します。
まとめ
これらの見直しや新設された加算によって、支援の充実がさらに進みます。特に専門的な知識を持つ職員の配置や、学校との連携が重要視されており、こどもたちの自立や生活の質の向上が期待されます。
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