
今回は、キャリアアップ助成金の「賞与・退職金制度導入コース」についてご紹介します。
この助成金は、すべての有期雇用労働者等に対して新たに賞与や退職金制度を導入し、その支給や積立を行った場合に助成される制度です。
キャリアアップ計画書の作成
ほかのコースと同じく「キャリアアップ計画書」を作成し、事前に労働局へ提出する必要があります。この計画書には、3年から5年の計画期間を設定し、「キャリアアップ管理者」を決め、全ての労働者代表の意見を反映させることが求められます。
助成金の支給額(中小企業の場合)
賞与または退職金制度を導入・・・40万円
賞与および退職金制度を同時に導入・・・56万円
(※1事業所あたり1回のみ)
対象となる労働者の要件
・新制度の施行日(新設日)から遡って3か月以上前から、新設日以降6か月以上の期間、同じ事業主に雇用されている有期雇用労働者。
・新設日以降、初回の賞与支給や退職金の積立てが行われた後も6か月以上、その事業所に雇用されていること。
・事業主や取締役の3親等以内の親族ではないこと。
・支給申請日において離職していないこと。
対象となる事業主の要件
・就業規則や労働協約で全ての有期雇用労働者等に賞与または退職金制度を新設した事業主であること(退職金制度は、費用を全額事業主が負担することが規定されたものに限る)
・新制度に基づき、対象労働者1人につき次に掲げる(a)もしくは(b)またはその両方に該当する事業主
(a)賞与については、6か月分相当として50,000円以上支給した事業主
(b)退職金については、1か月分相当として3,000円以上を6か月分または6か月分相当として18,000円以上積立てした事業主であること
・新制度をすべての有期雇用労働者等に適用していること。
・新制度を初回の賞与支給または退職金積立て後6か月以上運用していること。
・基本給や手当を減額していないこと。
・支給申請時に賞与や退職金制度を継続して運用していること。
支給申請期間
初回の賞与支給または退職金積立て後、6か月分の賃金を支給した日の翌日から2か月以内に申請
申請に必要な書類
・キャリアアップ助成金支給申請書
・賞与・退職金制度導入コース内訳
・支給要件確認申立書
・支払方法・受取人住所届
また、次の添付書類も必須です。
・管轄労働局長の認定を受けた「キャリアアップ計画」の写し
・制度新設前後の就業規則または労働協約の写し
・対象労働者全員の制度新設前後の雇用契約書または労働条件通知書の写し
・対象労働者全員の初回の支給・積立て前後および賞与支給月分の賃金台帳等(写)
・賃金台帳等に関する確認書
・対象労働者全員の制度新設前後および初回の支給・積立て前後の出勤簿または
タイムカード等(写)
まとめ
この助成金は、事業者が有期雇用労働者に対する賞与・退職金制度を導入する際の大きな支援となるものです。申請に必要な書類や要件をしっかりと確認し、手続きを進めましょう。
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